【会計Info】経理・税務会計情報サイト 人間中心のTAXを見つめています 

タックスニュース
2013.08.01b


2013年8月の税務トピックス



 T 消費税法における「不課税」と「非課税」

 現在の消費税率5%は、平成26年4月から8%に又平成27年10月から10%に増税されることが予定されています。

 このときに、増税と無関係である不課税と非課税が存在します。

この両者が混同して使われないように注意する必要があります。

 そこで、増税を目前にして、輸入取引を除く国内取引について両者の意義と区分を明らかにして、消費税の指導に当っていただきたいと思います。

 1 「不課税」の意義

 消費税法は、課税の対象として「国内において事業者が行った資産の譲渡等には、この法律により、消費税を課する」(消法4@)と規定しています。

さらに、納税義務者について
「事業者は、国内において行った課税資産の譲渡等につき、この法律により、消費税を納める義務がある」(消法5@)と規定しています。

 したがって、これらの規定により国内における事業者が行った資産の譲渡等が消費税の課税対象となり、その課税対象の中の課税資産の譲渡等を行った事業者が納税義務者になるとされています。

 不課税は前述の「資産の譲渡等」に該当しないことから生ずるものです。

 すなわち、資産の譲渡等とは「事業として対価を得て行われる資産の譲渡及び貸付け並びに役務の提供(省略)をいう。」(消法2@八)と規定されています。
 
 そこで、資産の譲渡等は、大別すると

@ 事業として対価を得て行われるもの
A 資産の譲渡
B 資産の貸付け
C 役務の提供
に分類されることになります。

(1)事業として対価を得て行われるもの

 個人又は個人事業者が生活の用に供している資産の譲渡及び貸付け並びに役務の提供は、原則として事業に該当しないこととされています。

したがって、自家用車、家庭用家具等の譲渡、貸付け並びに町内会の清掃等で対価を得ても消費税の対象とならず不課税となります(消基通5−1−1)。

 ただし、個人事業者が事業用の棚卸資産及び使用資産を自家消費した場合は、対価があるものとして課税の対象となります(消法4C、消基通5−1−2)。

(2) 資産の譲渡

 資産の譲渡は、取引の対象となる一切の資産が含まれることになります。

したがって資産の譲渡に代る代物弁済、保証債務等は含まれますが、保険金、心身等に係る損害賠償金、寄附金、祝金、見舞金等は、資産の譲渡に当らないことから不課税となります(消基通5−2−2〜15)。

(3) 資産の貸付け

 資産の無償貸付けについては、対価がないことから無条件に不課税に該当することになります(消基通5−4−5)。

(4) 役務の提供

 役務の提供とは、労働・工事・技術などのサービスによる便益を提供し対価を得ることをいいます。

したがって、賞金、ゴルフ場の入会金、派遣料のように事業者の役務提供の目的となった対価以外の対価関係にない会費、組合費等は不課税となります(消基通5−5−1〜12)。

 これらを総合して、不課税とは非課税とは異なり「課税対象外取引」を示すものということができます。


 2 「非課税」の意義

 非課税とは、すべての取引から不課税を控除した課税対象取引の中で特に消費税法で非課税(消法6@)と規定したもので別表一に掲げる土地の譲渡及び貸付けを含めて13の非課税取引があり、当該非課税取引を控除した後の取引が課税取引となり、消費税が課税される取引となります。



記事提供 ゆりかご倶楽部





平成25年の記事一覧へ




川島会計事務所
人間中心のTAXを見つめています