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タックスニュース
2013.07.05


マイナンバー制度が経営に及ぼす影響



 日本国民に固有の13桁の番号(法人は12桁)を割り当てて、徴税と社会保障給付に活用する「共通番号(マイナンバー)制度」が、2016年1月にスタートします。

番号自体は2015年の秋から通知され、2016年1月から、ICチップが埋め込まれた顔写真付き個人番号カードが配布される予定です。

マイナンバー制度はアメリカの「社会保障番号制度」などを参考に、個人や法人の所得や経費をより正確に把握し、徴税の公正さにつなげる狙いがあります。

 税務署などに提出する法定調書は、企業に勤めている人が年末に出す「給与所得の源泉徴収票」や、自営の方が出す「報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書」など、全部で50種類以上あります。

これらの法定調書が番号付きで提出されれば、税務署はこれらの書類を確実に名寄せできるようになるわけです。

 さらに法定調書の範囲を広げたり、銀行口座に個人番号を振って資金移動を把握できるようにしたりする制度の拡大も視野に入っているようですし、各省庁や自治体が縦割りで管理している個人情報の一元管理も今後検討事項にあがってくることが予想されます。

一方安全性の面からみると課題もあがっており、個人情報が一本化されることで、重要な個人情報が漏洩しやすくなり、犯罪に利用される恐れがあることが指摘されています。

所得や病歴、納税額などが取集、分析されたり、なりすまし被害が増加したりする恐れがあり、その防御のためのコスト負担は税金でまかなうことになるでしょう。

 マイナンバー制度が導入されると、従業員の給与支払いや企業年金などを管理している一般事業会社にも相当の業務負担が生じるようです。

企業は、給与天引きによって、雇用者として従業員の所得税の源泉徴収や住民税の特別徴収、社会保険料(健康保険、介護保険、厚生年金保険、労働保険)の支払いなどの実務を担っています。

マイナンバー制度の運用が始まれば、企業には税務署や自治体へ提出する法定調書や給与支払報告書などに、従業員個別のマイナンバーを記載することが求められ、全従業員のマイナンバーを把握・管理する必要が出てきます。

しかし、そのためには、番号を申告してもらうよう、そのための書類を配布したり、申告時に身分証で身元を確認し不備がある場合は再提出してもらうなどのやりとりが発生することが考えられます。

 また企業年金や健康保険などの異動届、源泉徴収票などは厳格な情報管理が必要となり、教育や周知徹底、さらに情報管理を厳しくするため、個人番号付きの書類は完全IT化が必須となるでしょう。

 「社会保障番号」があるアメリカ、「住民登録番号」を導入している韓国では、番号が盗まれてローンを勝手に組まれる、年金の受付口座が無断に開設されるなどの被害が多発しています。

日本でもこれらの犯罪行為が増加する危険性が指摘されており、便利な反面、課題が多く残る制度で、より厳格な運用が求められます。


(記事提供者:(株)税務研究会 税研情報センター)



記事提供 ゆりかご倶楽部





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