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タックスニュース
2013.06.21


水産商業施設を中核とした産業振興とまちづくり



 今日、地域資源を活用した産業振興が求められる中、漁港に隣接する地域では水産物を活用した産業振興が不可欠となっています。

こうした地域の多くでは、水産関連産業の振興を狙いとして「お魚センター」と呼ばれる水産商業施設が建設されています。

しかし、それらの多くは、来客数の減少により厳しい状況に置かれており、地域産業振興においてその役割を充分に果たしているとは言い難い状況となっているのが現状です。

多くの「お魚センター」に共通する1つ目の問題点として地元顧客の利用の少なさがあげられます。

顧客層は中高年の観光客が中心であり、地域住民の利用割合は低くなっています。

このため、売上がゴールデンウィークや夏休み期間などの観光シーズンに集中しており、売上の波が激しくなります。

また、「お魚センター」の近隣には大型ショッピング施設などが立地していることが多いため、地域住民は魚だけを販売している「お魚センター」にはほとんど行かず、このことが地域住民の「お魚センター」への愛着低下につながっているのです。

また、2つ目の問題点として地域全体でのビジョンの欠如があげられます。

「お魚センター」を活用したまちづくりに関するビジョンが地域全体に共有されていないため、産学官との連携が十分に行われない状況が生まれ、結果として「お魚センター」がその地域の産業振興やまちづくりにおいて十分な役割を果たしきれていないのです。

このように、水産商業施設を産業振興に活用するには、施設を中核として地域全体の産業振興をどのように図るかといった「まちづくりの視点」が求められるのです。

 では、水産商業施設を中核として産業振興を行うには、具体的にどのようなことに取り組めばよいのでしょうか。

それを理解するために、水産商業施設を中核として産業振興を行っている山口県萩市の取組をみていきましょう。

萩市には、道の駅/萩しーまーとという水産商業施設が立地しています。

同施設は、2001 年4 月に開設され、ふるさと萩食品協同組合によって運営されています。

同施設の特徴の1つとして、地域住民をコアターゲットとし、地産地消をストアコンセプトとした運営がなされている点があげられます。

このため品揃えも鮮魚、加工品などの水産物に加え、青果、果物、精肉、惣菜など幅広く、レストランも充実しています。

また、地元の食材を使ったミニパックの商品など一般家庭を意識した商品も販売されています。

また、同施設を地域産業活性化の拠点として活用するというビジョンの共有の下、行政、学識経験者、商工会議所、漁協などが同施設を中心に連携しており、連携の取組を通じて真ふぐ、アマダイ、金太郎などの地元魚のブランド化や首都圏への販路開拓などを実現しています。

このように、水産商業施設を中核とした産業振興を行うためには、第1に地元顧客へのアプローチを強化して、地域住民の水産商業施設の愛着向上を図ることが求められます。

その上で第2に、水産商業施設活用に関するビジョンを地域全体で共有しつつ、産学官の連携を強化していくことが求められるのです。


(記事提供者:(株)税務研究会 税研情報センター)



記事提供 ゆりかご倶楽部





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