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タックスニュース
2013.06.03


2013年6月の税務トピックス



 T 新設された「教育資金の一括贈与に係る非課税措置」のポイント

 平成25年度の税制改正でアベノミクスの第3の矢「民間投資を喚起する『成長戦略』」の一端として「教育資金の一括贈与に係る非課税措置」(新措法70の2の2)が新設されました。

 この措置法については多くの質問が寄せられており、特に「扶養義務履行に係る学資に充てるため給付される金品に係る非課税所得」(所法9@十五)及び「通常必要な扶養義務者相互間における教育費の贈与に係る非課税」(相法21の3E二)とどのように関係するのかという点は注目すべきだと思われます。


 1.従来の非課税規定の考え方

 所得税法における非課税規定は、扶養義務履行に係る学資(学業を続けるための費用)を受けた被扶養義務者の所得はないと規定したものです。

学資を受けた学生は扶養義務の対価として金品を受領したことから所得税法で非課税を規定する必要があったということができます。

 相続税法における非課税規定は、扶養義務履行の対価ではなく無償で通常必要な教育費(一般的な知識や技能の修得費用)に係る扶養義務者相互間の贈与については相続税法で贈与税は非課税にしますということを規定したものです。

 これら2つの非課税規定により通常の学資及び教育費は非課税(以下「通常非課税措置」といいます。)として取り扱われてきました。


 2.教育資金一括贈与に係る非課税規定の考え方

 教育資金一括贈与に係る非課税規定(以下「一括非課税措置」といいます。)は租税特別措置法に規定された。

 したがって、その性格は次のように理解することができます。

 (1) 一括非課税措置は、通常非課税措置に対する特例的措置であり、時限立法措置(自平成25年4月1日至平成27年12月31日)です。

 (2) 一括非課税措置は、学資及び教育費の発生がないにもかかわらず受贈者の直系尊属(父母・祖父母及び曽祖父母)から受贈者(30歳未満の者)1人当り1,500万円(内教育費は500万円まで)の範囲内における学資及び教育費の一括前払いについて受贈者に対して贈与税を課税しないとした措置です。

 (3) 一括非課税措置は、当該直系尊属が金融機関(銀行・信託銀行・証券会社)の営業所と教育資金管理契約(受贈者のために当該教育資金等を保管し、受贈者が学資及び教育費の領収書等を持参し払出を請求したときは払出しに応ずる契約・1口限定)を締結することから始まります。

 (4) 教育資金管理契約は残額が零になった場合又は受贈者が30歳になった場合に終了します。
このときに残額があった場合は贈与税が課税されることになります。

 その他金融機関と税務署との間における事務処理については、取扱金融機関の指導に基づいて処理して下さい。

 また学資又は教育費の範囲については、財務大臣と文部科学大臣が協議して定めることになっています。

 その結果、文部科学省告示第68号(平成25年3月30日)により学資の範囲が又同省のQ&A(平成25年5月2日)により教育費の範囲が公表されています。

 最後に一括非課税措置で不足の場合(例:医学部学資2千万円)は、どうすべきかという質問がありますが、扶養義務履行のための通常非課税措置は活用できます。
したがって一括非課税措置は、扶養義務のない祖父母の贈与等に活用すべきだと考えられます。


 U 6月の税務

6月の申告書等の提出期限は7月1日(月)です。
6月は、4月決算法人の申告時期ですが、あまり忙しい月ではないと思われます。
所得税予定納税額の通知(6月17日期限)があることに留意して下さい。


法学博士・税理士右山昌一郎



記事提供 ゆりかご倶楽部





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