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タックスニュース
2013.03.18


「臨特税」19億円返還めぐる裁判が決着へ



 神奈川県が独自に条例で制定した「臨時特例企業税」(臨特税)をめぐって、いすゞ自動車が納付済みの「臨特税」など合計約19億円の返還を求めた訴訟の上告審判決が3月21日に出されます。

「臨特税」を適法とした東京高裁の二審判決が見直される可能性が高いとみられています。

2月18日の上告審弁論で、いすゞ側は「臨特税は地方税の趣旨に反し無効だ」などと主張しました。

 神奈川県の「臨特税」は、損失を繰り越す企業にも課税できるようにしたものです。

いすゞ側は二審で逆転敗訴していますが、書面審理が中心の最高裁が弁論期日を指定したことから、再逆転判決の可能性が大きいとみられています。

上告審弁論で、いすゞ側は「臨特税は、損失の繰り越しを認めた地方税法に違反する」と主張。
これに対して県側は「政府も臨特税は国の租税政策に反しないと判断している」と反論して結審しました。

 地方税法では、単年度で黒字の企業でも、過去の損失を繰り越せば、法人事業税の課税対象から累損を控除できるとしています。

「臨特税」はその控除分に課税するというもので、平成13年に導入され、同20年度に廃止されるまで約480億円の税収があったといいます。

神奈川県内に事業所を置く資本金5億円以上の企業を対象としていました。

 いすゞ自動車の本社は東京・品川区ですが、神奈川県内には現在も主力の生産拠点である「藤沢工場」が稼働しているほか、昭和63年までは「鶴見工場」が、平成11年までは「大和工場」が、「臨特税」の運用期間中である同17年までは「川崎工場」が、いずれも県内で操業していた経緯があります。

また、「臨特税」が導入されて2年目の平成14年には、経営合理化策の一環として野球部の活動を休止しましたが、最後の出場となったこの年の都市対抗野球大会では「神奈川第2代表」として初優勝を飾り、地元の藤沢市や神奈川県を盛り上げるなどの企業貢献を果たしているという経緯もあります。

 いすゞ側にしてみれば、戦前から主力の生産拠点を複数置き、地元≠フ雇用と経済を牽引してきた神奈川県に対しては、税収の面でも多大な貢献を果たしてきたという自負があるといえます。

経営の好調時には多額の納税をしたうえに、繰越損失が出た時期にまで「臨特税」を課税されてしまっては、地元≠フ条例に理不尽さを感じたに違いないでしょう。


<情報提供:エヌピー通信社>



記事提供 ゆりかご倶楽部





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