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タックスニュース
2013.02.25


シェール革命がもたらす世界の変化



 いま、アメリカは「シェール革命」に湧き、天然ガスが脚光を浴びています。

シェールというのは地中深くにある堅い層のことで、そこから天然ガスなどがふんだんに手に入るようになりました。

従来から、シェール層に資源が埋蔵されていることは知られていたのですが採掘は困難だといわれていました。
それが新たな技術開発により可能となり、まさに革命というべき大きな変化が起こったのです。

 具体的な変化として、天然ガス生産量の増加が挙げられます。
米国エネルギー省の統計によるとシェールガスの生産量は増加を続け、2020年ごろには2010年の2倍になると見込まれています。

従来、アメリカは天然ガスや石油の輸入国でしたが、天然ガスは今から4、5年後には、輸出が輸入を上回るといわれています。

その結果、中東へのエネルギー依存度は下がり、国家間のパワーバランス、そしてエネルギーの国際勢力図にも変化が起こることが予想されます。

 そのほか、国内産業への恩恵は多大なものがあります。
第一は、天然ガスの価格下落です。

シェールガスの生産が本格化したことで、アメリカ国内における価格は以前よりも約1/3と大幅に下がりました。
これにより、エネルギー(発電)のコストを低下させることができます。

 それだけではありません。
プラスチック原料や合成繊維メーカーは、石油の代わりにシェールガスを利用することで原材料費を低く抑え、コスト競争力の向上が図れます。

 さらには、雇用創出、資源輸入の減少による貿易赤字縮小など、シェール革命はアメリカに数知れないほどの恩恵をもたらしています。

 シェール革命がアメリカにもたらす恩恵に比べると、今のところ日本が享受できるメリットはそう多くありません。

天然ガスの価格は、アメリカでは3ドル台(100万英国熱量単位当たり)まで下落したのに対して、日本のLNG(液化天然ガス)の輸入価格は平均15.5ドルで、両国間には約5倍もの開きがあります(2012年末現在、バークレイズリサーチ調べ)。

 なぜ、日本の輸入価格は下がらないのでしょうか。
それは、日本におけるLNGの価格は原油相場に連動するよう取り決められているからです。

そこで、この状況を変えようと、日本のガス会社や電力会社、商社などは、日本がアメリカから安価なシェールガスを輸入できるように、アメリカとの交渉を始めています。

ただし、いまのところアメリカ政府は、日本を含めて自由貿易協定(FTA)を結んでいない国に対して、LNG輸出を認可せずにストップをかけているため実現に至っていません。

 そのなか、商機を求め、始動した日本企業もあります。
三菱ケミカルホールディングスはアメリカ化学大手のダウ・ケミカルと提携して、アメリカの地に石油化学コンビナートの構築に乗り出しています。

これは現地で直接シェールガスを入手し、製品を低コストで生産するのが狙いです。
ほかにも、住友ベークライトなどは採掘に用いる特殊な樹脂の増産を予定しております。

また、大手電機の東芝は高熱効率のガスタービンを開発したゼネラル・エレクトリック(GE)と提携関係を構築して、火力発電の事業拡大を図っています。

こうしたシェールガスのメリットを巡る企業や国家間での取り組みは今後も増えそうです。


(記事提供者:(株)税務研究会 税研情報センター)



記事提供 ゆりかご倶楽部





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