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2013.02.08


本格化するiPS細胞の実用化



 ノーベル賞を受賞した山中教授が作り出したiPS細胞の研究は、患者の治療に使う臨床研究や、難病の薬を開発する国のプロジェクトが始まるなど、実用化を目指して本格化しています。

具体的にiPS細胞に期待がかけられているのは、新薬開発への応用と再生医療です。

心臓や肝臓といった臓器が機能不全を起こした場合でも、iPS細胞ならそれぞれの臓器の細胞に成長させることができます。

今日のような臓器移植手術では、他人のものを移植するため拒否反応が心配ですが、iPS細胞は自分の細胞なのでその懸念が薄まります。

政府もこの分野では積極的な規制緩和政策をとり、新たな事業も創出されようとしています。

国がiPS細胞を用いた医療の実用化に熱心になればなるほど、iPS細胞以外のバイオ領域の事業環境も整えられると考えられ、2013年はiPS細胞のおかげで日本バイオ業界は事業環境のインフラ整備が進む、追い風の環境となるでしょう。

 再生医療の切り札とされるiPS細胞の関連事業を立ち上げる企業も出始めました。
文部科学省の予測では、移植を伴う本格的な医療への応用は2020年代に入ってからとまだ先ですが、それでも新薬や病気の研究にいち早く応えるため、医療関連企業だけでなく、細胞の保管装置や培養材料といった精密機械メーカーや分析機器メーカーなど、波及する産業は多くあります。(

 すでにiPS細胞で事業化を進めている企業を見てみましょう。
ニコンは画像処理でiPS細胞の品質を見分ける技術、島津製作所は、iPS細胞から作った目の細胞を再生医療に使える品質にそろえながら培養する装置を開発しています。

富士フィルムは細胞集合体を移植し、動物の血管を形成する実験に成功しています。

日立製作所は角膜や食道の再生医療に使う細胞の自動培養に成功し、川崎重工はロボットで自動細胞培養装置を開発中です。

大日本住友製薬、第一三共、アステラスなど大手製薬会社も新薬候補の研究を活発化しています。

 産業用ガスメーカーの大陽日酸はiPS細胞を凍らせて保存する装置を実用化する準備に入っています。

国立成育医療研究センターと凍結・解凍技術を共同で開発しています。

大量のiPS細胞を備蓄しておくと素早く治療に取りかかれますので、優れた凍結・解凍技術が欠かせないものです。

 また、13年中には理化学研究所のチームが「加齢黄斑変性」という視力が失われる病気に対していち早く実用化を進めています。

患者のiPS細胞から網膜組織を作り出して目の細胞を作り、移植するというものです。

病院の倫理委員会で議論しており、承認されて国が認めれば世界で初めて人に応用する技術となります。

 国はiPS細胞を用いた医療を世界のどこよりも早く実用化するために、薬事法の改正を含めた法整備や規制緩和の議論を本格化させています。

この分野は関連する産業も多く、今後も目が離せないでしょう。



(記事提供者:(株)税務研究会 税研情報センター)


記事提供 ゆりかご倶楽部





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