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タックスニュース
2013.01.25


後継経営者が新たなプロジェクトに取り組むことの効果



 中小企業を取り巻く経営環境が目まぐるしく変化する中、経営革新を遂行できる能力を有した後継経営者を育成することは多くの中小企業にとって重要な課題となっています。

 後継経営者が経営革新を遂行できる能力を形成するために有効と考えられるのが、後継経営者が入社を経て役員に就任した後ぐらいの時期において新たなプロジェクトに取り組むことです。

典型的な例としては、後継経営者が自社にとって新たな取組みとなるような新事業への展開や、新規販路の開拓などといったことの担い手として取り組むことがあげられます。

 後継経営者が新たなプロジェクトに取り組むことが、経営革新を遂行するための能力形成につながる理由としては以下の3点があげられます。

 第1に、新たなプロジェクトを遂行するプロセスを経て、後継経営者が自社の事業基盤や問題点を客観的に把握することが可能となります。

 第2に、役員就任後という時期に後継経営者が新たなプロジェクトを遂行することで、近い将来に経営者としてマネジメントを行うことの予行演習ができます。

 第3に、新たなプロジェクトを遂行するためには、従業員や取引先、金融機関などといった社内、社外のステークホルダーとの調整が必要となりますが、後継者がステークホルダーとの調整を経て新たなプロジェクトで実績をあげて結果を残すことができれば、社内、社外のステークホルダーから支持・理解を確保することが可能となります。

 では、中小企業の後継経営者の能力形成にとって新たなプロジェクトに取り組むことが具体的にどのように役だっているのでしょうか?

 それを理解するために石鹸、基礎化粧品製造業者A社の後継経営者の事例をみていきましょう。

 A社の現社長は父が社長を務めるA社に専務として入社しました。
A社では、それまで下請受注による石鹸のOEM製造を行っていましたが、現社長は入社直後の1年間、製造現場で勤務する中で、自社ブランド製品を作りたいという思いを強くしました。

 そこで現社長は、製造現場での1年間の勤務を経て、自社ブランド製品の立ち上げに取り組みました。

自社ブランド製品の試作には職人の協力を得る必要がありましたが、現社長は通常の業務時間終了後の酒席などを利用して職人とコミュニケーションを取りつつ、自社ブランド製品の試作を依頼していきました。

 こうして開発された自社ブランド製品を現社長は都内有名雑貨店3店舗にターゲットを絞り、バイヤーではなく店舗の販売担当者に営業を仕掛けていきました。

当時は店舗の販売担当者にも購買の権限があったのです。
こうして現社長は販売担当者からあがってきたニーズをこまめに製品開発に反映させつつ、自社ブランド製品の販路開拓を実現していったのです。

 このように、後継経営者が新たなプロジェクトに取り組むことは、経営革新を遂行するための能力形成において非常に有効なのです。

(記事提供者:(株)税務研究会 税研情報センター)


記事提供 ゆりかご倶楽部





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