タックスニュース
2012.09.24


攻めのアウトソーシングの時代へ



 アウトソーシングはすでに様々なジャンルでサービスが広がっていて、

今後もますます活用されるのは間違いありません。

アウトソーシング化が進んでいる分野は、一般的に間接業務と呼ばれる部門で、

「人事」「経理」「総務」「調達」などがありますが、

直接部門の「営業」をアウトソーシングしている企業もあります。

 なぜアウトソーシング化が進んでいるのでしょうか。

給与計算をアウトソーシングする例で、そのメリット等をおさらいしてみましょう。

 第一に「効率化(コストダウン)」をあげることができます。

人数と委託内容で金額が決まりますので、担当者の昇進や賞与を加味する必要がなく、

そういった面での毎年のコストアップを防ぐことができます。

 次にあげられるのが「リスク分散」です。

数百人規模の会社でも、給与計算の実務は1人で担当させているという企業も

珍しくありません。

この担当者が病気やけがで休んだり退職したりした場合に、

給与計算を実際に行うことができる者がいないという「リスク」が発生します。

アウトソーシングであればこのような事態を防ぐことができます。

 最後に「専門性の活用」があげられます。

所得税・住民税といった税務、厚生年金保険や健康保険などの社会保険、

また割増賃金等については労働基準法といった様々な法律や制度が深くかかわっています。

これらの法律は近年特に改正が多く、専門性を活用する意味での

アウトソーシングのニーズが高まっています。(


 最近は、もう一歩進んだ、「攻め」のアウトソーシングをするところもでてきました。

ただ単にアウトソーシングするのではなく、

そこから新しい価値を生み出そうというのです。

 例えば社員寮についてですが、デベロッパーが新たな分野として

社員寮に新しい価値を見出そうとしています。

 バブル崩壊後、独身寮や社宅、保養所といった福利厚生施設は、

真っ先に売却の対象となってきましたが、

最近は独身寮を復活させる企業も出てきています。

それは社内コミュニケーションの不足が各社の悩みとなってきているからです。

貸倉庫や賃貸マンションを手掛けるイヌイ倉庫は来年8月、

東京都中央区月島に複数の企業の社員が入居できる大型の賃貸社員寮を開業します。

施設の広さを生かし、パブリック空間には、大浴場、ジム、ライブラリー、

シアタールームなどが設置される予定です。

共用施設を充実させ、社内外の人脈拡大、コミュニケーションの拡大の場を提供します。

 また、アウトソーシング受託企業の中でも、

コンサルティング機能の充実を図るところもあります。

営業代行として実働するだけでなく、発注企業の営業戦略や社員の育成も

アウトソーシングのプログラムに組込むところが出てきています。

 アウトソーシングは便利なものですが、発注する際には、自社の委託体制、

不備があった場合の責任の所在と賠償責任など、文書化しておくことも付け加えておきます。


(記事提供者:(株)税務研究会 税研情報センター)


記事提供 ゆりかご倶楽部







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