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タックスニュース
2012.11.12


保険で払う退職金の支給時期がズレたら?



 退職金の原資を確保する目的で、会社の役員らを被保険者とする養老保険に

加入しているケースは少なくないでしょう。

会社を契約者、役員や従業員を被保険者、満期保険金受取人および死亡保険金受取人を

会社として加入した場合、会社が支払う保険料は資産計上することになります。

 そして、こうした保険契約に基づいて保険金が支払われた場合は、

資産として扱っていた金額を取り崩し、保険積立金と実際に支払われた保険金との差額に

ついては、雑収入として処理することになります。

 退職金の原資を確保する目的で加入した保険の場合、

保険金の支払いと退職金の支払いの時期がずれてしまうことがあります。

例えば、保険の満期が到来したものの実際の退職日が数年後になってしまったケース。

また、被保険者の死亡により死亡保険金が支払われたものの、

死亡退職金の支給額が決まっておらず、当期での支払いが困難なケースなどが考えられます。

 このように保険金の確定時期と退職金の支給時期がずれてしまった場合、

保険金の収益計上を繰り延べられないかと考えがちですが、少し注意が必要でしょう。

退職金の支給と保険金の受け取りとはまったく別の「取引」であるため、

保険金の受け取りが先行し、実際の退職金の支給と時期がずれてしまっても、

保険金の収益計上を繰り延べることはできません。

 また、役員退職金は基本的に株主総会の決議により具体的に確定した金額を

損金経理により支給することとなりますが、税務上は株主総会の決議前であっても、

現実に支払い損金経理した場合はこれも認めることとされています。

このため、退職金の総額が決まらなくても、一部支給額を取締役会等で決定し、

損金経理のうえ支給することもできます。


<情報提供:エヌピー通信社>


記事提供 ゆりかご倶楽部






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