タックスニュース
2012.05.21b


保証債務を履行した場合の所得税は?



 保証債務を履行するために、土地や建物などの資産を売却した場合、

本来の債務者に求償権を行使しても回収できなかった部分については、譲渡所得の計算上なかったものとされる特例があります。


 この特例の適用を受けるためには、

@本来の債務者がすでに弁済できない状態のときに保証をしたものでないこと、

A保証債務を履行するために資産を売っていること、

B履行した債務の全額または一部の金額が債務者から回収できなくなったこと

 以上の要件をすべて満たしている必要があります。

Bの「回収できなくなったこと」の意味は、本来の債務者が資力を失っているなど、債務の弁済能力がないため将来的にも回収できない場合のことで、破産のほか、失踪も含まれます。

本来の債務者に弁済能力があるにもかかわらず債権を回収しないときは、この特例を受けることはできないので注意が必要です。


 譲渡所得の計算で、「なかったもの」とされる金額は、

@肩代わりした債務のうち回収できなくなった金額、

A保証債務を履行した人のその年の総所得金額の合計額、

B売却した資産の譲渡益の額

 のなかから、最も低い金額となります。

 この特例を受けるためには確定申告書に「保証債務の履行のための資産の譲渡に関する計算明細書」のほか、

保証債務の事実が分かる書類や求償権が行使不能であることを証明する書類を添付する必要があります。

 また、被相続人から保証債務を承継した場合は、相続財産から債務控除することはできません。
保証債務を履行した際、求償権を行使すればその分が補填されるため、確実な債務だといえないからです。

しかし、本来の債務者が弁済不能の状態にあり、保証人が債務を履行しなければいけない場合で、求償権を行使しても弁済を受ける見込みがないときは、弁済不能の部分の金額は債務控除の対象とすることができます。


<情報提供:エヌピー通信社>


記事提供 ゆりかご倶楽部







平成24年の記事一覧へ




川島会計事務所
人間中心のTAXを見つめています