タックスニュース
2012.03.23


格付け会社の仕事



 最近、格付け会社が話題になっています。
企業の発行債券や株式などに対して格付け会社が信用度についてランク付けし、公表しています。

各企業や国もこのランクについて無視はできず、戦々恐々としている場合もあります。

 世界的に見て、ムーディーズ、スタンダード&プアーズ、フィッチの3社が有名です。
ではこの格付け会社、どのようなビジネスモデルになっているのでしょうか?

 タイヤメーカーのミシュランが発行する『ミシュランガイド』があります。

これは料理店の格付けです。
ミシュランの調査員が勝手に店を訪問、食事をし、ランク付けします。

ミシュランはそれを本として公開し、ビジネスとしては発行するガイド本の売上げが収益となります。

 一方、格付け会社は収益モデルとしては大きくは2種類あります。

ミシュランのように勝手に調査し発表する場合(勝手格付けと言います)と、発行会社から依頼されてフィーを受け取り、ランクを発表する場合(依頼格付け)があります。

 企業が債券を発行する場合、「うちの会社は成長します」と発行会社が言ったところで、なかなか信用されません。

債券の引き受けをスムーズにするために、企業は格付け会社にお墨付きの依頼をします。
そこで評価をしてもらうのです。

 問題なのは、この格付け会社の権威が大きくなってきていることです。

サブプライムローンの問題のとき、最高位のランクをつけていたサブプライムローンが一夜にして、投機的水準のランクになったこともありました。

しかし、これによって格付け会社がペナルティーを課されることはありませんでした。

 ミシュランとの違いはもう1つあります。

それは、格付け会社は金融庁からの認可がなければできない仕事なのです。

つまり、勝手に格付け会社を立ち上げて事業をすることはできません。

平成24年1月現在、金融庁が指定している格付け会社は、「株式会社日本格付研究所」「ムーディーズ・ジャパン株式会社」「ムーディーズSFジャパン株式会社」「スタンダード&プアーズ・レーティング・ジャパン株式会社」「株式会社格付投資情報センター」「フィッチ・レーティングス・ジャパン株式会社」「日本スタンダード&プアーズ株式会社」の7社です。

 格付投資情報センターは日本経済新聞社がメイン株主に、日本格付研究所は国内生損保、金融機関や機関投資家が株主となって設立されました。

 一般論ですが、海外の格付け会社に比較して日本の会社は比較的甘い評価がされるようです。

また、勝手格付けより、依頼格付けのほうが甘い評価になるようです。

これはお金を戴いて評価するので、クライアントに対してどうしても甘くなってしまうということが背景にあるようです。

 このように不透明な部分もあるようですが、いずれにしても機関投資家の方が投資対象として様々な銘柄を選択するときに、今のところは、これらの会社の評価を目安にしている現実があります。

 格付け会社の商品メニューには、学校法人の格付けや医療法人の格付けなどもあります。

もちろん未上場の中小企業が社債を発行するときに、格付け会社にお墨付きをもらうこともあります。

 格付け会社は一見怖い存在と捉えがちですが、それは付き合い方次第であるといえるでしょう。


(記事提供者:(株)税務研究会 税研情報センター)


記事提供 ゆりかご倶楽部







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