タックスニュース
2012.06.11


日税連会長「法人税の課税ベースのあり方」諮問



 日本税理士会連合会の池田隼啓会長は、日税連会長の諮問機関である税制審議会(金子宏会長)に対して、「法人税における課税ベースのあり方について」を諮問しました。

 この諮問のなかで「法人税制は、税率の引き下げが行われる一方で、課税ベースが拡大されてきた。

この傾向が顕著になったのは、平成10年度の税制改正時であり、減価償却制度の見直し、賞与引当金や退職給与引当金の廃止など、大幅な改正が行われた」などと法人税制の課税ベースが拡大されてきた経緯について指摘。

そのうえで、「平成23年度の税制改正においても、貸倒引当金の廃止や減価償却制度における定率法の償却率の変更が行われたところであり、今後もこうした方向が採られるものと予測される」とし、法人税制については、税率引き下げの一方で課税ベースが拡大されていくものとの見方を示しました。

また、法人税制は「企業の国際的な競争力を維持するとともに、国内における雇用の促進や国外からの投資の拡大など、産業の空洞化を防止するという視点が重要であると考えられる」としたうえで、「雇用の大半を担っている中小企業の発展に資する法人税制でなければならない」と提起。

そのための法人税制を構築するには「税率の水準は重要な問題だが、それにも増して課税ベースのあり方が重要であり、財源の確保のみを目的としたものでは企業活動に資する税制にはならないと考えられる」と指摘しています。

 諮問では、「現行の法人税制において、課税ベースが不必要に拡大されているものはないか。逆に本来課税ベースに取り込むべきものが不当に侵食されていることはないか」といった視点から、きめ細かく検証する必要性があるとしており、税制審議会に対して「法人税の課税ベースはどうあるべきか、今後どのような方向で税制を構築すべきかについて、現行の個別事項の問題点を含めて検討する」ように求めています。


<情報提供:エヌピー通信社>


記事提供 ゆりかご倶楽部







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