タックスニュース
2012.04.27


日税連の税制審議会が青色申告について見解


 日本税理士会連合会の会長の諮問機関「税制審議会」は、

青色申告と白色申告との2制度が存在する二重構造≠ノついて、「税制のあり方としては適切とはいえない」「将来的には(中略)青色申告制度を廃止し、

申告方法を一元化することが望ましい」と現行制度に疑問を投げ掛けながらも、青色申告のメリットを廃止することで申告水準の低下などを招く可能性を踏まえ、「当分の間は同制度(青色申告制度)を存置することが適当である」と結論付けました。

日税連会長の諮問を受けてまとめた答申で示されたものです。

 答申では、青色申告制度の意義として、「適正な記帳と申告を促し、申告納税制度の定着に一定の役割を果たした」「税務行政の円滑化に寄与した」と評価。

その一方で、無申告や過少申告が常態化していた戦後の混乱期の過渡的な制度であり、恒久的な制度とは位置付けられていなかったと考えられることを指摘しています。

これに加えて、「(全ての納税者が)記帳に基づいて算定した適正な所得を申告しなければならない」という原則論からすれば、適正に記帳することを条件に納税者を優遇する青色申告制度を「廃止すべきという意見がある」としています。


 しかし、小規模事業者の記帳の実態や経理体制の現状から、制度廃止による申告水準の低下などの悪影響も踏まえ、税制審議会では「当面は制度の存置が適当」との見解を示しています。

また、事業専従者給与など「本来は必要経費性のあるもの」については、青色申告者に限定して適用することは適当とは言えないとも指摘。

一定レベルの記帳があり、費用の支出が確認できる場合には、適切な対価に限り、青色・白色の区別なく必要経費に算入することを認めるべきだと提言しています。

青色申告者に認められた特別償却や税額控除制度などの特別措置についてもすべての事業者への適用を求めています。


<情報提供:エヌピー通信社>



記事提供 ゆりかご倶楽部







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