タックスニュース
2011.09.13b


親子法人関係化手法の留意点と優劣


完全支配関係の判定

 グループ法人税制における完全支配関係があるか否かを判定する時期が、各制度によって異なっています。

 その主な制度の適用時期と完全支配関係の判定時期は、次の通りです。

@譲渡損益調整資産に係る譲渡損益の課税繰り延べについては、譲渡時点で完全支配関係がある場合に適用

A寄附金の損金不算入及び受贈益の益金不算入については、支出・受領の時点で完全支配関係がある場合に適用

B受取配当等の益金不算入(負債利子控除なし)については、その配当等の額の計算期間を通じて完全支配関係を有している場合に適用


完全支配関係の判定上の留意点

 これら@ABで特にBが留意すべき事項で、制度の恩恵を受けようとしても、適用要件が過去の期間に遡及しています。

 完全支配株式と言えるためには、配当の受取法人が、配当の計算期間の最初から最後まで継続してグループ内法人である場合に限られています。

半年以上1年未満の場合は100%子法人ではあっても、25%以上支配の関係法人株式になってしまいます。

半年未満だと、一般の株式と同じ扱いです。

 従って、組織再編を適格にて行って完全親子関係にしたとしても、その後の法人間の行為では必ずしも完全支配株式や関係法人株式に該当しないことになることがあります。


配当の源泉所得税に落とし穴

 先の@ABのほかに、配当に係る源泉所得税を法人税額から控除する場合においても、

配当計算期間内の元本所有期間での月数按分の規定がありますので、同じく組織再編を適格にて行った場合でも、予想外の落とし穴に陥込むことになりかねません。

 ただし、株式移転による組織再編だけは、受取配当金の益金不算入や配当源泉所得税の法人税額控除の場合においても、期間の遡及規定に耐えて、

規定されている制限の対象からはずれていますので、組織再編手法の選択に制約がないとしたら、会社分割、株式交換よりも、まずは株式移転を手法に選択できるかどうか考慮すべきです。



記事提供 ゆりかご倶楽部








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