タックスニュース
23.03.14b


売掛金回収の最終手段?


未払のまま転売とは・・・

 商品を納入した相手方である取引先が、代金を支払わないばかりか、さらにその客先に転売してしまう。
売主にはいまいましい事態です。

 このような事実関係について、いちいち訴訟を起こして勝訴判決を得ずとも、取引先が転売先に対して有する代金債権から回収する方法があります。法的根拠は、動産売買先取特権の物上代位というものです。


売買に基づいて成立する担保権

 動産売買先取特権とは、売買契約によって買主の許にある商品について、売主が有事の際にその商品の換価代金から優先的に回収できるという担保権です。

 そして、その商品が転売されれば、転売先に対する代金債権も、また、担保の対象となった商品から生じた価値的変形物だとして、その債権に対し、優先的に回収できます(物上代位)。

 このように、売買契約が成立するだけで、別途何らの手続もなしに法律上発生する誠に都合のよい担保権といえます。


転売代金債権への差押えに必要な書類は?

 売主が、取引先の転売代金債権に対する権利行使としては、その債権に対して差押えをかけることになります。

その際、裁判所に、差押命令申立書とともに権利の存在を証明する文書を提出する必要があります。

(1)まず、売主・取引先間の売買により商品が移転したことを証する証拠が必要です。

具体的には売買契約書、注文書、納品書、受領書、請求書等になります。
基本的に、取引先が作成したものが証拠として含まれていなければならないと解されています。
そこで、普段から取引先より注文書等を出してもらうことが必要です。

(2)これに加え、取引先・転売先間の売買についても、商品の移転を示す証拠も必要です。
問題となる商品と転売債権と対応することを示す必要があるからです。

少なくとも転売先による転売証明書や受領書くらいは必要となります。
すると、証拠の手配に転売先の協力が不可欠となり、ここが大きなハードルになるでしょう。

(3)以上の書類を、どこまで揃えられるかが裁判所に差押えが認められるためのキーポイントです。


記事提供 ゆりかご倶楽部








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