タックスニュース
23.06.02


平成23年6月の税務トピックス


 T 平成23年5月までに発布された法令等

 平成23年3月11日に発生した東日本大震災による被害が未曾有のものであることに鑑み、

現行税制をそのまま適用することが被災納税者の実態に照らして適当でないと考えられるもの等について

緊急の対応として、「東日本大震災の被災者等に係る国税関係法律の臨時特例に関する法律案」(第一弾)(以下「特例法」といいます。)が平成23年4月19日に国会に提出され、同年4月27日に国会で可決・成立し、同日に公布・施行されています。


 U 特例法に係る税目

 国税に関する特例法については、

国税通則法、所得税、法人税、資産税、登録免許税、印紙税、消費税及び自動車重量税に及び、

同時に成立した地方税に関する特例法については、

個人住民税、個人事業税、法人住民税・法人事業税、固定資産税・都市計画税、不動産取得税、自動車取得税、自動車税、軽自動車税、地方消費税、揮発油税及び地方揮発油税に係る実に21の税目に及んでいます。

そしてこれらの税目のすべてが免除又は軽減並びに期限延長措置等であることから、

原則は該当税目についての措置を特例法で見てもらうこととして、主要国税についての主な特例法の内容のみについて述べることとします。


 V 特例法の内容


  1.国税通則法

 国税通則法には、

元来「災害等による期限の延長」として災害が止んだ日から2月以内の期限の延長が規定(国通法11)されていますが、

東日本大震災(以下、単に「大震災」といいます。)については、

同規定のほか「国税庁長官による告示」(国税庁長官告示8、平成23年3月15日)が設けられ、

当該指定地域(青森県、岩手県、宮城県、福島県、茨城県)内でその期限が大震災日以降に到来するものについては、その期限を当該告示で定める期日まで延長することとします。


  2.所得税

   (1) 雑損控除

 雑損控除は、元来所得税法に規定(所法72)されていますが、

特例法は大震災が平成22年度所得税確定申告期限(平成23年3月15日)前に発生したことから住宅や家財等に係る損失の雑損控除について平成22年分所得税申告での適用を可能にします。

又被災額が多額であることから当該控除の繰越可能期間を5年(現行3年)とします(特例法4@、5@A)


   (2) 被災事業用資産に係る損失の特例

 被災事業用資産に係る損失についても(1)と同様に22年分所得で控除することができます。

加えて青色申告者の純損失については、さらに平成21年分所得への繰戻し還付を可能にすることとされています。

なお、繰越可能期間の5年も準用されています(特例法6、7)


  3.法人税

 法人税額の還付は、中小法人以外の法人については不適用(措法66の13@)とされています。

これについて大震災損失の繰戻しによる法人税額の還付(平成23年3月11日から平成24年3月10日までに終了する事業年度における大震災損失金額の全額)が

特例法で設けられ2年間まで遡って繰戻還付ができることとなりました(特例法15、23)


  4.資産税

 大震災前の相続・贈与により取得し保有している財産(相当な損害があるとして財務大臣指定の指定地域内の土地等及び一定の非上場株式)の価額は、大震災発生後の価額とすることができます(特例法34、35)



法学博士・税理士右山昌一郎

エッサムファミリー会 会報(平成23年6月号)より




記事提供 ゆりかご倶楽部








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