タックスニュース
23.01.07


平成23年1月の税務トピックス


 明けましておめでとうございます。
 平成23年は「平成23年度税制改正大綱」 (平成22年12月16日)に公表されたように「納税者権利憲章の策定」が明らかになり、納税者の権利が民主化されるスタートとなる年だと思われます。

平成22年12月までに発布された法令等

 平成23年度税制改正大綱においては、例年の税制改正と異なり、納税者の立場に立った納税者権利憲章を策定するとともに国税通則法について昭和37年の制定以来、最大の見直しが行われます。

 その見直しは、税務調査手続の明確化、更正の請求期間の延長、処分の理由附記の実施、国税不服審判所の改革等です。

 したがって、個別税目の改正は雑誌等で明らかになることからそれらを参考にしてもらうこととし、納税者権利憲章を始めとし、国税通則法の改正ポイントに係る4項目について述べることにします。


 1.納税者権利憲章の策定

 納税者の立場に立った納税者権利憲章(以下「憲章」といいます。)は、税務行政という公権力の行使から納税者の権利を守るという観点から先進諸外国においては、すでに多くの国で設定されています。

わが国においても早期の設定が主張されていましたが、平成23年中に準備を進めた上、平成24年1月1日に公表します。

 2.税務調査手続の明確化

 税務調査を行う場合には、調査手続の透明性と納税者の予測可能性を高めるために、調査対象者、内容等を原則として事前に文書(税務署長等名義)で通知します。

 事前通知を行わない例外事由については、通達に記載します。
 調査終了時には、課税庁の納税者に対する説明責任を強化する観点から @ 更正決定をすべきと認められる場合 A 更正決定をすべきと認められない場合に分けて各々の内容を記載した通知書(税務署長等名義)を調査終了時に納税者に交付します。

 この税務調査手続は、平成24年1月1日以後の新たな税務調査(反面調査を含みます。)について適用されます。


 3. 更正の請求期間の延長

 納税者の救済と課税の適正化とのバランス及び「嘆願」という実務慣行を解消するために
 @ 納税者が「更正の請求」を行うことができる期間(現行1年)を5年に延長します。
 A 課税庁が増額更正できる期間(現行3年のもの)を5年に延長します。

 これらで課税庁と納税者の期間は一致しますが、そのために納税者は更正の請求書には「事実を証明する書類」の添付が義務化され、当該請求書に虚僞記載があった場合は法定刑(1年以下の懲役又は50万円以下の罰金)が設けられます。

 この改正は、平成23年4月1日以後に法定申告期限の到来する国税について適用されます。


 4 更正の理由附記の実施

 処分の適正化と納税者の予測可能性の確保の観点から全ての処分について、理由附記が実施(平成24年1月より)されます。
 ただし、個人の白色申告者については、記帳義務等の拡大(平成25年1月)と併せて実施されます。


 5 国税不服審判所の改革

 国税不服審判所における審理の中立性・公正性を向上させる観点から国税審判官の外部登用を拡大することとし、平成25年までに国税審判官の半数程度を外部登用者とする工程表を作成します。


エッサムファミリー会 会報(平成23年1月号)より

法学博士・税理士右山昌一郎
記事提供:ゆりかご倶楽部







平成23年1月の記事一覧へ




川島会計事務所
人間中心のTAXを見つめています