タックスニュース
2011.12.19b


ふるさと納税で紺綬褒章 所得2億5千万なら負担なし


 『バガボンド』『スラムダンク』などの作者として知られる漫画家の井上雄彦さんが、鹿児島県への「ふるさと納税」により、国から紺綬褒章を受章しました。

 政府が授与を決める褒章の種類には、紅綬褒章、緑綬褒章、黄綬褒章、紫綬褒章、藍綬褒章、そして紺綬褒章があります。

紺綬褒章は「公益のため私財を寄付し功績顕著なる者」に与えられる栄典です。

公的機関や公的法人に対して、個人で500万円(団体の場合は1000万円)以上の寄付を行った人が推薦を受け、国による審査のうえで授与されるものです。


 井上さんは鹿児島県の大口市(現在の伊佐市)出身。

2008〜10年度に、県が募集する「かごしま応援寄付金」として寄付を行いました。

このうち、2010年に行った寄付が要件に該当しました。

井上さんは2008年の寄付の際「子供時代を鹿児島で過ごしたことが自分の土台を作るうえでとても良かったといつも思っています。

鹿児島県に納税をすることで、そのお金が鹿児島のためになるよういかしていただけるなら幸いです」とメッセージを寄せています。


 2008年にスタートした「ふるさと納税」は、そのネーミングから納税先を自分で選べる制度といった印象を受けますが、制度上は寄附控除の大幅な拡充です。

納税ではなく寄付のため、褒章の対象にもなるというわけです。

地方自治体への寄附金のうち2千円を超える金額が、所得税では所得控除、個人住民税では税額控除されます。

税額控除の計算式は、2千円の自己負担額をのぞき寄付金がほぼ全額返ってくるよう設計されているため、実質的に納税先を選択した形となります。


 ただし、控除額には上限があります。

個人住民税の特例控除額の上限は、個人住民税所得割額の10%。

所得割の税率は一律10%のため、上限は課税所得の1%です。

紺綬褒章の要件にあたる500万円を寄付した場合、所得税の税率を40%とすると所得税額のマイナスは約200万円、個人住民税の基本控除は約50万円のため、約250万円を特例控除できれば、自己負担額を除くほぼ全額の控除を受けられることになります。

課税所得の1%が250万円ということは、つまり寄付者に概ね2億5千円を超える所得があればほぼ全額が返ってくることになります。


<情報提供:エヌピー通信社>



記事提供 ゆりかご倶楽部







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