タックスニュース
23.04.01b


平成23年4月の税務トピックス


T 平成23年3月までに発布された法令等


 ○ 納税者権利憲章について

 平成23年度税制改正では、今までの税制改正になかった「納税者権利憲章」 (以下単に「憲章」といいます。) が策定されることになっています。

そうすると世間では、「納税者の権利についての憲法ができて、憲章に違反した税務署員は処罰されることになる」又は「憲章は複雑な税務行政を納税者に分かり易くお知らせする国税庁のパンフレットみたいなもので法律的には何の効果もないお飾りみたいなものだ」という声があります。

 この両方の声はどちらも正しくないと思われますので多少憲章について述べてみたいと思います。


 1 憲章は何のためにあるのか

 憲章は、納税環境整備の一端として行われるものです。
申告納税制度の定着と課税制度の確立には、単に制度上の手当のみではなく、国民の納税意識の向上、税務職員の意識の民主化、租税に関する教育の充実までも含む広い観念としての納税環境の整備が必要です。

 したがって、先進諸外国には殆ど憲章があるのにわが国では遅ればせながら「納税者は税務職員から公平に専門的に迅速に、かつ、親切に扱われる権利を有する」とする米国の納税者の権利憲章をモットーとして策定されるものです。


 2 憲章はどういう役割を持つのか
 わが国の納税環境の整備は、憲章の策定と国税通則法の改正の二本建で行われることになっています。
 憲章は、納税者の立場に立って、@納税者が税務行政から受けられるサービス(例、質問に対する回答等) A納税者が税務行政に求めることのできる内容(例、更正の請求の方法等) B納税者に税務行政が求める内容(例、電子申告等) C税務行政が納税者に気をつけていただきたいこと(例、消費税の申請書の期限等)を一連の税務手続に沿って、一覧性のある形で、平易な言葉で国税庁長官が作成する行政文書で、平成24年1月1日に公表し、その後納税者に配付されることとなっています。
 他方国税通則法の改正は、税務行政において納税者の権利利益の保護を図る趣旨を明確にするとともに法律題名を「国税に係わる共通的な手続並びに納税者の権利及び義務に関する法律」 (略称「国税手続法」) に変更します。さらに具体的法律の改正としては @更正の請求に係わる期間の延長 (1年から5年へ) A税務調査における規定の整備(事前通知書、調査内容の説明、調査終了通知書、提出物件の預かり手続)等があります。
 なお、国税手続法についても、平成24年1月1日以後の税務調査に適用されることとなっています。

 3 憲章の真のねらいは何か
 前述したように憲章の真のねらいは、更正の請求等にみられるように税務行政における「官尊民卑」の打破です。そして平成23年度税制改正で制度上も税務行政を「官尊民卑」から「官民平等」に直します。そこでその内容を分かり易い形で「お墨付」として税務行政の責任者である国税庁長官が納税者の方々に配付し、税務職員の意識も民主化します。どうか税務行政を信頼していただき納税者の意識向上に役立たせたいとする納税環境整備のためだと認識して下さい。

 U 4月の税務
 所得税の確定申告が終わって一休みの月です。桜も咲き気候も良い季節です。固定資産台帳の縦覧の月でもあります。
 さらに、税制改正が成立か否かにかかわらずこのことにつき顧問先に説明を行う月です。


法学博士・税理士右山昌一郎

エッサムファミリー会 会報(平成23年4月号)より



記事提供 ゆりかご倶楽部








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