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220714


財政制度審議会:消費税率引上げと経済効果を分析


 菅直人首相は、消費税率引き上げを含む税財政改革について、かねてより、「増税をしても使う道を間違わなければ景気はよくなる」と持論をもっております。

 この増税による景気への影響について、5月18日、財務省において、財政制度審議会の財政制度分科会が開かれ、今後の消費税の税率引上げに伴う経済への影響、増税のタイミング等を分析した資料「財政健全化・消費税とマクロ経済活動」を同審議会は公表しました。

 同資料によりますと、平成9年の消費税率引上げに伴う駆け込み需要の反動減は、税率引上げの翌期(7−9月)には回復し、その後の景気低迷は、金融システムの信頼低下やアジア経済・通貨危機の影響が大きいと分析したうえで、下記の4つのケースに分けて、今後の増税による経済効果を示しています。


(ケース1)
 増税+無駄な歳出を増加させた場合で、負担の増加のみで民間消費、投資が抑制されるという最悪のケースと分析


(ケース2)
 増税+有益な歳出増で、負担の増加と歳出のメリットが相殺されるが、歳出が将来の生産増につながれば、成長にプラス(供給面)に働き、 貯蓄性向よりも歳出での投資性向が上回ると分析


(ケース3)
 増税+減税(あるいは移転支出)を採用した場合、
@所得効果:再分配効果(マクロの限界消費性向が増加→需要の増加:マクロの限界貯蓄性向が増加→供給の増加)あり
A代替効果:税制改革で相対価格が変更され、労働意欲刺激効果、投資意欲刺激効果あり


(ケース4)
 増税+財政赤字の削減で、現在の負担増で民間需要は抑制→「貯蓄過剰」といわれる我が国で、民間消費の抑制はどの程度起こるかが課題


 分析結果として、
@消費税と経済成長
 標準的なシミュレーション分析では、消費税は所得税と比較して成長にプラスになると分析

A消費税と駆け込み需要
 駆け込み需要(ストック可能な消費財で発生)や引き上げが終わった段階で、反動の消費需要減は考えられるものの、それは消費税率の引き下げでも同様の効果(引き下げ前に需要減、引き下げ後に需要増)になるとしたうえで、段階的引き上げは、反動を先送りするプラスの効果ありと分析

B今後の消費税率引上げ
 税収中立では無理であり、ネット増税(一部は財政赤字の縮減に)が必要で、将来の増税を回避できるプラスの効果を家計がどこまで評価するかにあると分析


(注意)
 上記の記載内容は、平成22年6月17日現在の情報に基づいて記載しております。
 今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。



記事提供 ゆりかご倶楽部








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