タックスニュース
210911


役員報酬は「給与等」なのか 差し押さえで審判所判断



 国税を滞納していた代表取締役Aの、役員報酬支払い請求権を税務署が差し押さえたことが注目されています。

 国税徴収法は、一定の範囲で給料等の差押えを禁止しています。

一定の範囲とは、
@所得税相当額、
A特別徴収で徴収される県民税および市民税相当額
B社会保険料相当額、
C生活扶助の給付を行う場合におけるその扶助の基準となる金額で給料等の支給の基礎となった期間に応ずるものを勘案して政令で定める金額、
Dその給料等の金額から@〜Cの合計額を控除した金額の20%に相当する金額(Cの2倍に相当する金額を超えるときは当該金額)――これらの合計に達するまでの部分です。

 税務署は差押えで@〜Bは控除しましたが、「役員報酬は取締役と会社との委任契約に基づき、取締役の行う経営活動の対価として支払われるもの。徴収法の給料等には該当しない」と、

CとDは控除せず差し押さえました。
Aはこれを不服として審査請求に至ります。

 徴収法は給料等を「給料、賃金、俸給、歳費、退職年金及びこれらの性質を有する給与に係る債権」としますが、それぞれ細かくは規定をしていません。

そこで国税不服審判所はまず、給料等を「雇用契約またはこれに類する関係その他一定の勤務関係に基づき、提供した労務または職務遂行の対価として、継続的に受けるまたは受けることが予定されている給付」と判断。

 また徴収法が給料等に「歳費」を挙げていることから「雇用契約に基づいて支給されるものに限定されない」としました。

結果、役員報酬は「徴収法に規定する給料等に該当する」と結論づけ、@〜Dの合計額を差し引いた金額を超える部分について税務署の差押えは取消されました。


(エヌピー通信社


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