タックスニュース
211001b


事業承継税制申請スタート! 気になるその出足は!?



 利用のためには、相続の開始から8カ月以内に経済産業大臣へ申請する必要がある事業承継税制。

その申請受付が9月1日から開始されました。
中小企業庁の担当者によると、申請状況は「9月11日現在で2件」といいます。

 納税猶予を受けるためには、相続発生前に事業承継に関する計画的な取組みが行われたという経済産業大臣の確認を受ける必要があります。
その大臣確認の申請数は、9月11日現在で58件となっています。

 そもそも事業承継税制とは、「中小企業経営承継円滑化法」という総合的な施策の一環として制定されたもの。

後継者となる事業承継相続人が、一定要件を満たすことで相続する非上場株式にかかる相続税の80%が納税猶予され、さらに株式を死亡時まで保有するなどの要件を満たすことにより免除されるという制度です。

 問題となるのが、その要件です。
まず、大臣認定を受けるためには、会社や実質的な子会社が@資産管理会社、A上場会社、B大企業や医療法人、C風俗関連事業を行う会社にあてはまらないことが必須とされます。

 ほかに、後継者には5年間事業を継続する「継続要件」があり、後継者が代表者であり続けること、雇用の8割以上を維持すること、また前記の@〜Cにあてはまらないことなどが条件となります。

 認可を受けたものの途中で要件を満たさなくなれば、猶予されていた相続税を延滞税付きで納める必要が出てきます。

5年継続要件に当てはまらなくなる可能性を考え、税理士からは「顧客には勧められない」といった声が聞かれます。

しかし、中企庁担当者は、「そもそも法律制定の本来の目的は『地域経済の活力維持』と『雇用の維持』であり、雇用8割維持などはいってみれば事業承継税制の柱。

今後も変更の予定はない」と話します。

 ただし、全く改定される可能性がないかといえば、「普通の税制改正と同様で、利用していくうちに明らかな不備などが見つかれば改定する」(中企庁)といいます。


(エヌピー通信社)


ゆりかご倶楽部








平成21年10月の記事一覧へ




川島会計事務所
人間中心のTAXを見つめています