タックスニュース
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上場有価証券の評価損でQ&A 難しい“回復可能性”



 国税庁はこのほど、「上場有価証券の評価損に関するQ&A」を公表しました。

 従来、会社が所有する上場有価証券の価値が著しく低下して帳簿価額を下回った場合、評価換えをして損金経理することで帳簿価額を減額したときには、差額を限度に評価損を損金算入することが認められています。

「価値の著しい低下」とは、「価額がその時の帳簿価額の50%相当額を下回り、かつ、将来その価額の回復が見込めないこと」とされていますが、実務では「回復可能性」の判断が難しいのが実情です。

 参考事例としてQ&Aで取り上げられたのは、

@株価が50%相当額を下回る場合における株価の回復可能性の判断基準、
A監査法人のチェックを受けて継続的に使用される形式的な判断基準、
B株価の回復性の判断の時期、
C株価の回復可能性の判断基準に該当した場合の評価損否認金の取扱い
の4問です。

 @では具体的方法として「法人の側から、過去の市場価格の推移や市場環境の動向、発行法人の業況などを総合的に勘案した合理的な判断基準が示される限りにおいては、税務上その基準は尊重される」と明示しました。

企業が独自に回復可能性に合理的判断を行うのが困難なら、「専門性を有する客観的な第三者の見解があれば、合理的判断の根拠のひとつとすることも考えられる」としています。第三者には証券アナリストが挙げられています。

 Aは、回復可能性の判断基準に一定の形式基準を策定し、監査法人にチェックを受けて継続使用する場合も「客観性が確保されている」として、合理的と認めています。

Bでは、評価損を損金算入した後、翌事業年度で株価が上昇した場合は、「損金算入処理をさかのぼって是正する必要はない」としました。

Cは、会計上の減損処理を行いましたが税務上は合理的な判断基準に該当しなかった場合の評価損否認金額の取扱いを、具体例を挙げまとめています。


(エヌピー通信社)








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川島会計事務所
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