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タックスニュース
210611b


土地の取得計画がある場合は、改正土地税制に注意



 平成21年度税制改正においては、土地取引の活性化を目的として「土地等の長期譲渡所得の1000万円特別控除」(1000万円特別控除)、

および「土地等の先行取得に対する課税の特例」(先行取得特例)という2つの税制が創設されました。

最近、この2つの税制の注目度が徐々に上がってきています。

 1000万円特別控除は、個人や法人が2009年1月から2010年12月までの間に取得した土地を5年超保有後に譲渡した場合、譲渡益から1000万円(譲渡益が1000万円に満たない場合は全額)を控除できる制度。

また、先行取得特例は、法人や個人事業者が2009年1月から2010年12月までの間に国内の土地等を取得し、10年以内に他の土地を譲渡した場合、他の土地の譲渡益の80%、または60%相当額を圧縮記帳して、譲渡益に係る課税を繰り延べることができる制度です。

 両制度ともに共通するのは、将来、土地を譲渡する時に譲渡益が発生しなければ税制の恩恵を得ることができないことです。

つまり、将来の土地の値上がりが前提になっている税制で、現段階ではその効果が未確定なわけです。

したがって、この両制度を利用するために土地を取得するというケースはそれほど多くないと思われます。

 しかし、土地取引では巨額の譲渡益が発生するケースが少なくないため、近々に土地取得の計画がある場合には両制度の利用を想定して計画を立てておかないと、思わぬ損をしてしまうことになりかねません。

 特に、先行取得特例の場合、特例を受けるためには「先行取得した土地の取得の日を含む事業年度の確定申告書の提出期限までに特例の適用を受ける旨の届出書を提出する」必要があります。

たとえば6月末決算法人が今年の1月から6月に土地を取得している場合、申告期限の8月末までに届出書を提出しておかないと同特例を利用することができません。

 また、平成21年度税制改正では特定事業用資産の買い換え特例が平成23年末まで延長されているため、個人事業者の場合は両方の特例が利用可能なケースも出てきます。

その場合、どちらかの特例を選択することになりますが、一般的には新しい先行取得特例の方が有利になるケースが多いようです。


参考URL
先行取得特例の届出


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