タックスニュース
210708


お中元の税務あれこれ



 お中元は、基本的には「交際費」として処理します。

 平成21年度の追加経済対策により、年間400万円だった中小企業の交際費の損金算入限度額が年間600万円まで引上げられました。

決して大盤振る舞いができるような経済状態ではありませんが、日ごろお世話になっている人や企業への感謝の気持ちを込め、実のあるお中元の贈答を行いたいものです。

 平成18年度の税制改正で5千円以下の飲食を伴う交際費は損金算入できることになりました。

しかし、お中元はひとつ5千円以下でもこれには当てはまりませんので注意が必要です。

なぜなら、「5千円基準」とは「飲食その他これに類する行為のために要する費用」と定義されており、「単なる飲食物の詰め合わせを贈答する行為は、飲食その他これに類する行為には含まれないと考えられる」からです。

 お中元を交際費としてではなく「広告宣伝費」として損金処理できる方法もあります。

それは、「カレンダー、手帳、扇子、その他これらに類する物品を贈答するために通常要する費用」は交際費から除外されていることを利用し、広告宣伝的な効果を意図して、社名入りのカレンダーやボールペンなどを取引先に贈るという手段です。

「多数の者に配布することを目的としており、少額のものであれば広告宣伝費として差し支えない」(税務当局)とされているからです。

 なお、中元品等を贈答用として購入しておきながら、社内で使用している場合や一部の取引先へ大量に贈答しているようなケースもあることから、場合によっては税務調査の際に配布先がチェックされることがあります。

そのため、配布先と配布した商品の内容は、リストにして残しておくことが肝要です。

 また、最近は各地の名産品を「自分用」に購入する人も増えているそうで、「自分用お中元」の消費を促進するデパートもあるようです。

このような中元品等を「自社用」として購入し全社員へ配布した場合、社会通念上の福利厚生活動を超えない程度のものならば、「福利厚生費として処理されるのが適当」(同)とされています。


(エヌピー通信社)







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