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タックスニュース
210805


ホントに使える!?新事業承継税制



 今年4月1日に公布された「自社株式の相続税・贈与税の納税猶予制度」。

同制度により、経済産業大臣の認定を受けた非上場会社を経営する親族の死後、後継者となる事業承継相続人が一定の要件を満たすことで、後継者の相続する非上場株式にかかる相続税の80%が納税猶予・免除されることになりました。

 一見するとウマ味の大きい同制度ですが、ここへきて、専門家の間では「安易に経営者らに適用を薦めると後で大変なことになる」との指摘も多く聞かれます。

この“適用リスク”を高める一因となるのが、納税猶予を受け続けるための「5年間の継続要件」。

なかでも@資産管理会社に該当しない、
A当該中小子会社の“特別子会社”が上場会社など、大法人などまたは風俗営業会社(ソープランド、テレクラなど)に該当しない

という2つの要件には、常に細心の注意を払う必要があります。

 @については、納税猶予の適用を受けた後、総資産に占める不動産や有価証券などの割合が高まった場合、会社で機械備品などを買い足すことでその比率を下げる必要があります。

 Aの要件はつまり、後継者の6親等3姻族以内に上場会社、大法人または風俗営業会社などの株式(議決権付き)を50%以上保有する人がいると、納税猶予が取り消される可能性があることを指します。

顔も知らないような遠い親せきが風俗営業などを始めないよう、常に目を光らせていなければならないのです。

 これについて経産省は「面識のある、なしはまったく関係ない。法施行規則通りに実施させていただく」としつつも、「大臣認定を取り消すことが“できる”というだけで、ただちに取り消すわけではない」としています。

もし、納税猶予が打ち切られると、猶予されていた全額に加え、法定申告期限からの利子税を併せて納付しなければなりません。

そのため、「あまりにリスクが高い。申請受付が開始されても、しばらくは様子見する」という税理士は多いようです。


(エヌピー通信社)


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