タックスニュース
210407


小規模宅地の評価減特例 高裁も複数の生活拠点認める



 マンションと住宅を所有していた母親から死後これらを相続したA氏は、2つの宅地について、母親が生前両方とも住居として使用していたこと、および面積が合計で200平方メートル以下であることから、相続税の減額措置「小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例」(措置法第69 条の4第1項)、いわゆる「小規模宅地の評価減特例」が適用できると判断し、相続税の申告を行いました。

 しかし、佐賀税務署長はマンションについては適用を認めず、相続税の更正処分および過少申告加算税の賦課決定処分を下しました。

A氏はこれを違法として、申告分を超える部分および過少申告加算税賦課処分の取消しを求めて訴訟に至ります。

 1審の佐賀地裁では、A氏の主張が全て認められましたが、2審の福岡高裁では母親のマンションの利用実態にスポットが当てられました。

 福岡高裁の石井宏治裁判長は、「被相続人が生活の拠点を置いていたかどうかにより判断すべきであり、事実を総合勘案して判断されるべき」とし、母親のマンション利用状況から「マンションにおいてほとんど生活していなかったのであり、(中略)本件特例の“居住の用に供されていた”宅地に当たるとは認められない」と指摘。
税務署の判断は適法としました。

 地裁判決が逆転した高裁判決ですが、佐賀地裁で最大の争点となった「居住の用に供されていた土地等」についての見解については、福岡高裁も「当裁判所も、“主として居住の用に供していた宅地等”に限られないものと判断する」と地裁判断を支持しました。


(エヌピー通信社)








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