タックスニュース
200513


新たに創設される中小企業の経営承継円滑法



事業承継においては、現オーナー経営者の保有する株式等の事業用資産を円滑に後継者に承継することが重要です。

 しかし、経営者の個人資産のうち自社株や事業用資産が3分の2以上の割合を占めている現状では、生前贈与や遺言を活用して事象承継対策を実施しても「遺留分の制約」(遺留分とは、配偶者や子供に対して最低限の資産承継の権利を保障する民法上の制度で、原則、法定相続分の半分)が存在するため、後継者に経営権を集中させることが困難です。

その結果、事業の廃業、雇用の喪失、地域経済の衰退等を招来させている原因の一部にもなっています。

 そこで、中小企業庁は、この現状を少しでも打開するために「中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律」を創設しました。この法律の骨子は次の通りです。

(1)遺留分算定基礎財産からの除外等
 この法律の特徴は、「遺留分に関する民法の特例」です。その内容は、合意によって
@ 先代経営者から後継者へ贈与された自社株その他の一定の財産について、その全部又は一部を遺留分算定の基礎財産から除外できる(除外合意)
A 生前贈与株の全部 又は一部を贈与時等の評価額で予め固定できる(固定合意)制度の創設
 これによって、事業承継に不可欠な自社株等に係る遺留分減殺請求を未然に防止できます。

(2)具体的な「合意」要件
 上記(1)の合意は、特例合意と言って次の要件を満たさなければなりせん。
@ 先代経営者の推定相続人全員の合意
A 書面によること
B 特例合意の対象となる株式等を除くと、後継者の議決権比率が過半数に達しないこと等

(3)その他諸手続き
 推定相続人間の合意後、1ヶ月以内に「経済産業大臣の確認」及び「家庭裁判所の許可」(いずれも後継者の単独申請)を得ることで、合意の効力が発生します。
後継者が単独で申請を行うことができるため、遺留分放棄制度に比して、非後継者の手続きは簡素化されています。







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川島会計事務所
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