タックスニュース

200305c


逓増定期保険の取扱いについて通達改正



 国税庁が「法人が支払う長期平準定期保険等の保険料の取扱いについて」(法令解釈通達)の一部を改正したことをアナウンスしています。
その改正内容は、中小企業が節税、決算対策、役員退職金などの費用調達等に利用している「逓増定期保険」の取扱いについて、2月28日以後の契約から変更するというものです。

 逓増定期保険は、一定額の保険料で受け取る保険金が年々「逓増(時間の経過と共に、増加していくこと)」するタイプの保険商品です。
経営者に万が一の事があった場合の事業継続資金、役員退職金などの費用の調達に利用されるほか、一定の場合に支払った保険料の全額が当期の損金に算入できるため、効果の高い節税策としても利用されていました。

 今回、通達が改正されたのは、「一定の場合に支払った保険料の全額が当期の損金に算入できる」という部分です。
具体的には、支払い手数料の全額を損金算入できる条件が、現行の「保険満了時の年齢が60歳以下、または保険加入時の年齢に保険期間の2倍に相当する数を加えた数が90以下の場合」から、「保険満了時の年齢が45歳以下の場合」となります。

 逓増定期保険の一般的な保険期間は20年から40年ですから、20代前半で保険に加入していなければ、逓増定期保険における「支払った保険料全額を損金算入」の恩恵を得られない計算になります。

このことにより、逓増定期保険の節税メリットは大幅に低下したといっても良いでしょう。
なお、保険満了時の年齢が45歳を超える場合には、満了時の年齢等の状況により、保険期間の60%に相当する期間分の支払い保険料のうち、2分の1から4分の3の額を資産計上することになります。

 しかし、これで逓増定期保険の節税メリットがまったく無くなったわけではありません。
保険満了時の年齢が45歳を超えていても、保険満了時の年齢が70歳以下など一定の場合には支払い保険料の2分の1を当期の損金に算入することができます。

従って、今回の通達改正により直ちに逓増定期保険が節税商品でなくなるということでもないでしょう。
また、「鵜の目鷹の目」の保険業界ですから、また新しいタイプの節税型保険商品を生み出してくるかもしれません。


参考URL
別紙(新旧対照表)(PDFファイル/26KB)








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