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Thursday,May 17,2018


財務省:2016年度租税特別措置の適用実態調査結果報告書を公表


 財務省は、2016年度租税特別措置の適用実態調査結果報告書を公表しました。

 それによりますと、2016年度(2016年4月〜2017年3月)に終了した事業年度又は連結事業年度において、法人税関係の租税特別措置82項目(2015年度は83項目)について、適用件数が延べ183.3万件(同174.3万件)となりました。

 租税特別措置の種類ごとにみてみますと、中小企業への軽減税率(資本金1億円以下の中小企業には年800万円以下の所得に特例で15%(本則の軽減税率は19%)の税率)を適用する「法人税率の特例」(2措置)は、適用件数が88.9万件(2015年度比4.5万件増)、適用額が3兆4,412億円(同2,140億円増)と増えており、これは景気回復によって法人税を支払う黒字企業が増加したためとみられております。

 また、「税額控除」(18措置)は、適用件数が16.2万件(2015年度比0.8万件増)、適用額が1兆481億円(同82億円減)となりました。

 この主な内訳は、2015年度から適用要件を緩和した「所得拡大促進税制」が3,184億円(2015年度比410億円増)、「研究開発税制」が5,926億円(同232億円減)、「生産性向上設備投資促進税制(一部)」が971億円(同210億円減)です。

 「特別償却」(28措置)は、適用件数が6.8万件(2015年度比0.5万件減)、適用額が1兆7,869億円(同5,750億円減)で、主な内訳は、「中小企業者等が機械等を取得した場合の特別償却」は5,971億円(同2,324億円増)、「生産性向上設備投資促進税制(一部)」が8,937億円(同3,989億円減)です。

 また、「準備金等」(15措置)は、適用件数が1.3万件(2015年度比0.1万件減)、適用額が8,212億円(同1,216億円減)となりました。

 適用数の実績が想定外に少ない租税特別措置等は、必要性や将来見込みの検証を徹底するため、税制改正プロセスにおいて、総務省による政策評価の点検結果や、財務省の適用実態調査の結果を活用し、租税特別措置の必要性や政策効果を検証しております。

 今後の動向に注目です。


(注意)
 上記の記載内容は、平成30年4月16日現在の情報に基づいて記載しております。
 今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。


記事提供:ゆりかご倶楽部





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