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Friday,June 16,2017,Sunny


2017年6月の税務トピックス 中小企業経営強化税制の創設


中小企業経営強化税制の創設

はじめに
 平成29年度税制改正では、中小・小規模事業者の「攻めの投資」を後押しするため、生産性の向上につながる設備投資を支援する税制(いわゆる中小企業経営強化税制,以下「本制度」といいます。)が創設されました。

 本稿では、本制度の改正の概要について解説します。
 
T 制度の概要

1 適用要件(新措法42の12の4@A,新措規20の9@)

 青色申告書を提出する中小企業者等で中小企業等経営強化法の経営力向上計画の認定を受けたものが、平成29年4月1日から平成31年3月31日までの間に、生産等設備を構成する機械装置、工具・器具備品、建物附属設備及びソフトウエアで、経営力向上設備等(経営力の向上に著しく資するものとして中小企業等経営強化法に規定される「生産性向上設備(A類型)」及び「収益力強化設備(B類型)」とされます。)に該当するもののうち、一定の規模以上のものの取得等をして、その中小企業者等の営む指定事業の用に供した場合には、その取得価額から普通償却限度額を控除した金額までの特別償却(即時償却)とその取得価額の7%(資本金の額等が3,000万円以下の特定中小企業者等にあっては、10%)の税額控除との選択適用ができます。

 ただし、税額控除における控除税額は、本制度、「中小企業投資促進税制(措法42の6)」及び「商業・サービス業・農業水産業活性化税制(措法42の12の3)」の特別税額控除措置と合計して当期の法人税額の20%を上限とし、控除限度超過額は1年間の繰越しができます。


2 取得価額要件(新措令27の12の4A)

 前述した1に掲げる「一定の規模以上のもの」とは、機械装置(1台又は1基の取得価額が160万円以上のもの)、工具・器具備品(1台又は1基の取得価額が30万円以上のもの)、建物附属設備(一の取得価額が60万円以上のもの)及びソフトウエア(一の取得価額が70万円以上のもの)の設備の区分ごとに取得価額要件が設けられています。


U 経営力強化向上設備等の範囲

1 生産性向上設備(A類型)の範囲(強化規8A一)

 生産性向上設備(A類型)とは、次の@及びAの要件を満たす機械装置、工具(測定工具及び検査工具に限ります。)、器具備品(電子計算機にあっては、情報通信業のうち自己の電子計算機の情報処理機能の全部又は一部の提供を行う事業を行う法人が取得又は製作するものを除き、医療機器にあっては医療保険業を行う事業者が取得又は製作するものを除きます。)、建物附属設備(医療保険業を行う事業者が取得又は製作するものを除きます。)及びソフトウエア(設備の稼働状況等に係る情報収集機能及び分析・指示機能を有するものに限ります。)をいいます。

 ただし、ソフトウエア及び旧モデルがないものは、次の@の要件を満たすものとされます。

 @ 販売が開始された時期に係る要件

  販売が開始されてから、機械装置:10年以内、工具:5年以内、器具備品:6年以内、建物附属設備:14年以内、ソフトウエア:5年以内のものであること。

 A 経営力向上要件

  旧モデル比で経営力の向上に資するものの指標(生産効率、エネルギー効率、精度等)が年平均1%以上向上するものであること。


2 収益力強化設備(B類型)の範囲(強化規8A二)

 「収益力強化設備(B類型)」とは、その投資計画における年平均の投資利益率が5%以上となることが見込まれるもの(経営力向上に係る投資利益率要件)であることにつき経済産業大臣の確認を受けた投資計画に記載された機械装置、工具・器具備品(電子計算機にあっては、情報通信業のうち自己の電子計算機の情報処理機能の全部又は一部の提供を行う事業を行う法人が取得又は製作するものを除き、医療機器にあっては医療保険業を行う事業者が取得又は製作するものを除きます。)、建物附属設備(医療保険業を行う事業者が取得又は製作するものを除きます。)及びソフトウエアとされます。


おわりに
 経営力向上設備等を取得し、その設備について本制度を受けるためには、
原則として

@工業会証明書(A類型)又は経済産業局による投資利益率に関する確認書(B類型)を取得後、A中小企業等経営強化法の経営力向上計画の認定を受け、B対象設備を取得するという手続きが必要とされます。

 ただし、経営力向上計画の申請に先立って計画を開始し、経営力向上設備等を取得した後に経営力向上計画を提出する場合には、
例外として

@工業会証明書(A類型)又は経済産業局の確認書(B類型)を取得後、
A対象設備を取得、
B設備投資後60日以内に経営力向上計画が受理される必要があります。

この場合において、本制度の適用を受けるためには、制度の適用を事業年度単位で見ることから、遅くともその設備を取得し事業の用に供した事業年度内に経営力向上計画の認定を受ける必要がありますので留意して下さい。


税理士法人右山事務所 所長 宮森俊樹


記事提供:ゆりかご倶楽部






国税庁HP新着情報
6月16日朝時点での新着情報は、以下の通りです。

国税庁ホームページ掲載日:平成29年6月15日

●平成28年度査察の概要(平成29年6月)
●「酒類を輸出する酒類業者の皆様へ (参考)輸出証明書発行件数」を更新しました
●酒税課税状況表(平成28年度3月分)
●「平成29年版 法人税申告書・地方法人税申告書の記載の手引」を掲載しました



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