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タックスニュース
Monday, March 27, 2017


【時事解説】SR(株主関連)活動とビジネスチャンスの源



 近年、SRに力を入れる企業が増えています。

SRとはShareholder Relations(シェアホルダー・リレーションズ)の頭文字をとったもので、企業と株主との安定的な信頼関係を築くための活動をいいます。

投資家に向けた企業の広報活動としては、IR(インベスター・リレーションズ)がよく知られています。

ただ、IRは、自社の株式をまだ買っていない投資家を対象としているのに対して、SRはすでに株式を買っている株主を対象とした活動である点に特徴があります。

 SRに力を入れる企業の例を挙げると、産業用ロボットのメーカー、ファナックがあり、同社は株主との建設的な対話の窓口としてSR部を新設しました。

SR部では、株主の要求などに耳を傾け、良好な関係を維持できるよう、対応することが役割となっています。

 実は、ファナックは、手元資金が豊富にあり、SR部を開設した当時、株主から資金の一部を株主に還元すべきだという声が上がっていました。

当初、ファナックは、資金の使い道として、国内の工場や研究所に計1,300億円を投じるといった計画を発表し、株主還元には消極的でした。

その後、対話を重ね、配当と自社株買いを通して株主に資金の一部を還元することを決定しました。

こうした、株主との対話が奏功し、ファナックの株価は上昇しています。

 近年、株主に外国人投資家が占める割合が増え、結果、ファナックのような、資金の還元や、経営戦略の説明といった要求が増えています。

その中、ファナックのほかにも、インターネット上にSRに特化したサイトを開設した企業もあり、SRへの意識は増加傾向にあるといえます。

 SRに力を入れる企業が増えた背景には、株主のなかに外国人投資家などが増え、経営者への要求が高まったことがあります。

 加えて、2015年、東京証券取引所が「コーポレートガバナンス・コード」を定めたことも一つとしてあります。

このコードには、企業に対して、「株主との建設的な対話を促進するための体制を整備すること」と書かれており、これにより企業は体制、仕組みに取り組むことが決められました。

 その一方で、投資家との対話に後ろ向きな姿勢を見せる企業もまだ多くあります。

時代の流れとして、株主との対話が必要なことを意識しているものの、どのように対処したらよいか、また、どのような施策を講じればいいのか、迷う部分があるのも事実です。

 そのなか、近年、SRに関するビジネスが注目されつつあります。

SRに関するコンサルティング業務のほか、企業のIR担当者を対象としたセミナーを開く、株主を管理するツールを販売するといった事業を展開します。

ファナックは手元資金の還元をめぐり、株主との対話に成功した企業ですが、その過程にはSRコンサルタントのアドバイスがありました。

 また、SRビジネスには、外国人株主を特定、分析といった業務もあります。

そこで、「株主総会の定足数が集まらない」「議決権が集まらない」「委任状が必要」といった企業の難題解決に手を貸すこともあります。

SRビジネスは株式に関する専門知識を要するため、参入障壁が高く、簡単ではありません。

ただ、それゆえ競争も激しくなく、成功すれば利益を望める分野だといえます。


記事提供:ゆりかご倶楽部







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