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タックスニュース190903秋は「税務調査の秋」事業を行っていれば、必ず数年ごとに税務調査を受けることになります。 一社あたりの税務調査の周期を平均すると4〜6年に一度と言われていますが、なかには2〜3年という短い周期で税務調査を受ける会社があれば、10年以上も税務調査を受けていない会社もあります。 ■税務調査の実施件数は増加傾向 国税庁の公表によると、法人に対する税務調査(実地調査)の件数はこのところ増加傾向です。 ・平成15事務年度:法人税11万5千件、消費税(法人)10万3千件 ・平成16事務年度:法人税12万4千件、消費税(法人)11万1千件 ・平成17事務年度:法人税14万3千件、消費税(法人)13万5千件 また、個人事業主に対する税務調査も、平成17事務年度の消費税(個人)の税務調査件数が前年比2.4倍の7万2千件になっています。 ■もっとも税務調査が多いのは秋 税務調査は一年中行われていますが、もっとも実施件数が多くなるのは秋です。 これは税務署員の異動が7月に行われるため、その前後の6月から8月の税務調査が激減し、その分が秋に集中するためだと言われています。 ■税務調査(実地調査)のいろいろ 通常、周期的に行われる税務調査のことを「一般調査」といいます。 一般調査はおおよそ一社あたり2日〜一週間ほどかかります。 また、税務署内で行われる事前調査の結果、多額の不正が見込まれる場合や調査の範囲が広い場合、調査内容が複雑な場合などは、長期間にわたって「特別調査」が行われる場合もあります。 さらに悪質で大口の脱税案件になると、「強制捜査(通称マル査)」ということになりますが、これは税務署ではなく国税局が管轄します。 ■税務調査のターゲットにされやすい会社 秋に集中する税務署の一般調査や特別調査では、税務署員はできるだけ効果的な調査を行おうとする傾向があるようです。 つまり、この時期の税務調査では手柄の立てやすい会社ほどターゲットに選定されやすくなるのです。 そして、その「税務調査のターゲットに選定されやすい会社」とは、一般に以下のような会社だと言われています。 ・前回の税務調査で内容が著しく悪かった ・以前に重加算税を課せられたことがある ・好況な業界に属している ・脱税等が多い業界に属している ・事業年度ごとの売上、利益、費用の変動が大きい ・同地域、同業種の会社と売上、利益、費用の差異が大きい 税務調査で困るのは「いつ来るか分からない」ことです。 しかし、特別調査や強制調査は別として、通常の一般調査は定例行事みたいなものですから恐れることはありません。 すぐに顧問税理士に連絡するなど冷静な対応をしましょう。税務署員に反抗したり、協力を拒むような態度を見せるのは百害あって一利なしです。 |
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