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191023


鳩山法相が事業承継時の民法特例法に言及



 鳩山法務大臣が衆院予算委員会で、中小企業の事業承継に係る相続について、民法の特例法案を検討する考えを示しました。

 わが国において全企業の9割以上を占める中小企業は、経済発展、雇用確保、地域振興などにおいて非常に重要な存在です。
それにも関わらず、最近は廃業率が開業率を上回っており、年々、中小企業数は減少し続けています。

 そのため、中小企業の事業承継は重要な政治的課題のひとつになっています。

現在、税制面では自社株の相続税評価額を80%減額する制度が議論されており、与野党とも賛成の意を示していることから、来年度税制改正での成立は確実だと言われています。
これが実現すれば、中小企業の事業承継対策は大きく変わります。

 しかし、一方で「税制面よりも民法の方が事業承継のネックになっている」という意見もあります。

 民法の第五編は相続に対する規定ですが、その第二章において相続時における法定相続人が規定されています。

すなわち、同規定では被相続人の配偶者や子供(死亡時はその直系尊属)は自動的に法定相続人となり、被相続人に配偶者や子供がいない場合は、被相続人の直系尊属(両親・祖父母など)や兄弟が相続順位にし画って従って法定相続人になることなどが定められています。

 また同章においては、法定相続人を排除できる規定が定められていますが、それは「被相続人に対して虐待をし、若しくはこれに重大な侮辱を加えたとき、又は推定相続人にその他の著しい非行があったとき」に限られています。

 さらに、同第八章には遺留分の規定があります。遺留分とは、遺言書によって遺産が他人に譲られてしまった場合でも、被相続人の兄弟を除く法定相続人に一定額(法定相続分の2分の1、または3分の1)の相続を保証する制度です。

 つまり、事業承継のため後継者に自社株や事業用資産を独占的に相続させることが「法的に」難しくなっているのです。その結果、事業の継続が困難になるケースは少なくありません。

 鳩山法務大臣が言及した民法の特例法案とは、これら民法の諸規定について、中小企業の事業承継時に限り「特例的な扱いを認める」特例法を検討するということでしょう。







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