タックスニュース

190507


賃貸契約で「戻ってこない」ことが決まっている保証金



 通常、事業者が店舗など事業用の建物を借りる際には保証金(敷金)を支払います。

一般的な保証金の相場は家賃の2〜10ヶ月分ですが、目抜き通りにある建物等の場合、保証金の額が数千万円から数億円となるケースも少なくありません。

 この保証金というのは、一般的には家賃滞納や建物・設備等に対する故意、過失の損害に対応するための預かり金という意味合いを持ち、何事もなければ契約解除時に返還されるものです。

 ところが、この保証金について返還時に一定額を差し引く代わりに、建物等の損害に対する修繕費や原状回復費などを請求しないという特約付きの賃貸契約をする場合があります。

これを一般的に「保証引き」「敷引き」といって関西では昔からの商習慣だったようですが、いわゆる「敷金返還と原状回復義務」のトラブル回避のために策定された「原状回復ガイドライン」(平成10年、国土交通省)以降、この契約形態は全国に広がっているとのことです。

 ただ、この保証引きが新たな賃貸不動産トラブルの火種となっている話は良く聞きます。

なかには保証引きと原状回復費用をダブルで保証金から差し引かれたという例もあります。

賃貸契約時は良く契約内容を確認して、納得の上で契約することをお勧めします。

 さて、通常の保証金というのは、ただ家主にお金を預けているだけですので経費にはなりません。

また、消費税上も不課税取引となり、仕入れ税額控除することができません。しかし、保証引きなど返還時に保証金の一定額を差し引く契約の場合は取り扱いが異なります。

 この場合、差し引かれて戻ってこない保証金は、「資産を賃借し又は使用するための費用(権利金、更新料など)」として処理することになります。

具体的には、保証金の支払い時に繰延資産として計上し、一定の期間で費用化します。なお、この場合の一定の期間とは通常5年、更新料の場合は更新期間です。

 また、この「戻ってこない保証金」については、消費税上「事業用の建物の賃貸借契約の締結や更新に伴う保証金、権利金、敷金又は更新料などのうち、返還しないものは、権利の設定の対価」とされていますので課税取引です。

支払い時に仕入れ控除することができますので間違えないようにしてください。








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