タックスニュース

190828


アルバイト等に対する源泉徴収の注意点



 アルバイトやパートを雇用している場合に、しなければならない源泉徴収をしていない会社が時々あります。

アルバイト等の源泉徴収をしなくて良いケースは以下のような場合で、これ以外の場合は、原則として源泉徴収が必要になります。

■日雇いのアルバイト等で日額給与(日雇賃金)が9300円未満の場合
■「扶養控除申告書」を提出しているアルバイト等の給与(日給、月給)が一定額未満の場合。一定額は扶養親族の数によって異なり、たとえば扶養親族が0人の場合は月給8万8000円未満、または日給2900円未満になります。

 アルバイト等の源泉徴収額の計算は、社員と同様に「給与所得の源泉徴収税額表」を使って計算します。

■「扶養控除申告書」を提出しているアルバイト等
・日給の場合:日額表の甲欄(日雇いアルバイト等を除く)
・月給の場合:月額表の甲欄
■「扶養控除申告書」を提出していないアルバイト等
・日給の場合:日額表の乙欄(日雇いアルバイト等を除く)
・月給の場合:月額表の乙欄
■日雇いのアルバイト等
・日額表の丙欄
※平成19年度より「給与所得の源泉徴収税額表」が大きく変わっていますから注意が必要です。

 また、アルバイト等の給与に対し源泉徴収をしている場合でも、「扶養控除申告書」を提出させていないにも関わらず、「給与所得の源泉徴収税額表」の乙欄ではなく甲欄を使用してしまうミスも時々見かけます。

甲欄は乙欄に比べて源泉徴収額が少なくなっているため、徴収(天引き)不足になっているのです。

 このように、すべきアルバイト等の源泉徴収をしなかったり、甲欄と乙欄を間違えて徴収不足になったりすると、非常に面倒くさいことになる場合があります。

 アルバイト等の源泉徴収を忘れてしまったり、甲欄と乙欄を間違えて徴収不足になったりすると、以下のような手間と損失が発生する場合があります。

 本来、源泉徴収はアルバイト等の給与からの天引きですから、徴収しなかった分や不足額はアルバイト等から返してもらわなければなりません。

しかし、そのアルバイトやパートが辞めてしまっている場合や返すことを拒否された場合などは、不足額を返してもらうのはかなり面倒です。

もし返してもらえなかった場合には、会社が立替払いしなければならなくなります。
 しかも、この立替払いした源泉徴収額は、原則として立替金として資産計上することになり、その立替金を費用(損金)化するのは大変面倒です。

 また、源泉徴収税の納付不足額が1万円以上の場合は不納付加算税と延滞税の対象となります。

 不納付加算税は、1日でも納付が遅れた場合に納付不足額の原則10%(自主的な納付の場合は5%)が徴収されるものです。

ただし、以下の両方の条件を満たしている場合は不納付加算税の徴収が免除されます。
・法定納期限の翌日から起算して1ヶ月以内に納付していること

・直前1年分の納付について遅れたことがないこと、または新たに源泉徴収義務者になった場合の初回の納期に係るものであること

 一方、延滞税は納付不足額に対して、納期限の翌日から2カ月を経過する日までは年7.3%か前年の11月30日の日本銀行が定める基準割引率+4%のいずれか低い割合、2カ月経過後は年14.6%が課せられる延滞利息金です。

 そして、これらの不納付加算税と延滞税は会社のミスですから、通常はそのアルバイトやパートから返してもらうわけにもいきません。さらに、支払った不納付加算税や延滞税は会社の損金にもできません。

 このように二重三重の損失が考えられるわけです。こうしたことにならないよう十分に注意してください。


参考URL
平成19年1月以降分 源泉徴収税額表
不納付加算税の取扱いについて






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