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タックスニュース

190427


経済同友会が税制提言。消費税16%や法人税引下げなど



 社団法人の経済同友会が「社会のために皆が願いを込めて納める税制への改革」と銘打った税制改革に対する意見書を発表しました。

 同意見書では、先進国中で最悪といわれる膨大な公的債務を抱えている我が国にとって、公的債務を他の先進国並みの水準まで圧縮し「財政の健全化」を図ることが重要だとしています。

そして、そのためには無駄な歳出を徹底的に削減するとともに、規制緩和などにより経済を活性化して税収のアップを図り、それでも足りない場合に限り増税を「やむを得ない」と位置づけました。

 具体的な税制改革への意見の中で目立つのは、やはり消費税率の引き上げと法人課税の引き下げでしょう。

 消費税率の引き上げについては、歳入歳出の徹底的な改革実現後の2010年に、税率16%(国税2%、地方税5%、年金目的税9%)を提案しています。

年金目的税とは、その名の通り年金の財源に充てるための目的税で、消費税を基礎年金部分の財源とすることで、年金制度の安定化を図ることを狙いとしたものです。

消費税率アップを財政健全化のために行うのではなく、社会福祉充実のために行おうという考え方です。

 一方、法人課税の引き下げは法人事業税(地方税)を廃止することで、実効税率を35%に引き下げるという提言です。

我が国の法人課税の実効税率39.54%は世界でも最高水準であり、企業の国際競争力を高めるとともに、グローバル企業が我が国への納税を回避する動きを防止するなどの効果を狙ったものです。

また、平成19年度税制改正で抜本的に見直された減価償却制度の考え方を固定資産税にも適用させることや、欠損金の繰越控除を「たとえば20年まで」認める制度なども提言されています。

 面白いところでは「給付つき税額控除」という考え方が提言されています。

これは、低所得者の勤労意欲を刺激するための措置で、勤労を条件に低所得者に対する新しい税額控除制度を創設し、給与所得が控除額を下回る場合にはその差額分を給付するというものです。

 通常、税額控除には控除限度額が設定されており、限度額を超えた分については適用できないか、もしくは翌年以降に繰越すことになります。

確かに見方を変えれば、この限度額超過分は「負の所得税額」ともいえるものですから、「給付する」という考え方があっても良いのかもしれません。







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