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税務会計ニュース

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ヘッドハンティングで得た支度金の税金



 最近、IT企業のM&Aがよく話題になっています。
IT企業というだけで株価収益率(PER)が100倍超(平均は約10倍)ともいわれる異様な株価がつき、そして、そのIT企業にこぞって融資するメガバンク、外資などが支える莫大な流動性資産がその背景にはあります。

 また、このようなIT業界では、ヘッドハンティングにおいても、数百万円から数千万円の支度金が飛び交うと言われています。

 ヘッドハンティングなどによって、いきなり高額な所得を得た場合、誰でも税金面が心配になります。
その支度金が所得の2分の1に課税される「一時所得」であれば安心なのですが、「給与所得」「雑所得」となると、所得税の累進税率を肌身に感じることになるでしょう。

 そこで、支度金の性質を見てみると、支度金は基本的に自分が働いている会社のライバル社から将来の雇用契約を前提として支払われたものであり、そのため「労務その他の役務の対価」としての性質を有するものと考えられます。

そして、残念ながら所得税法の規定により、この「労務その他の役務の対価」としての性質を有するものは一時所得となることはありません。

 つまり、この場合の支度金は「給与所得」または「雑所得」として処理しなければならないわけです。
その区分ですが、ライバル社との間で雇用契約を結んだうえで支度金が支払われたならば「給与所得」、雇用契約を結ぶ前に得た支度金は「雑所得」として取り扱われることになります。

 なお、支度金の中に就職に伴う転居のための費用が含まれている場合、その費用が適正であれば、その分については非課税として取り扱われます。






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